農薬を使わないことについて
三粒の種では、防虫、殺虫、除菌、除草を目的とした、
化学農薬(以下、農薬と略)の使用をしないことにしています。
それは、なぜか?
使わないほうがおいしいから?
基準値内の使用で、味に大きな変化を与えることは稀だし、
多少使ったほうがおいしいこともあります。虫に食害されると、抵抗物質を出す野菜もあるので。美味しい美味しくないは、大方、硝酸態窒素の話ですね。
食べる人の健康のため?
許可が出ているもので、基準値内の使用であれば、
農薬が身体に与える害は、ほとんどありません。
安心安全のために、農薬を使わない、という理由は、
おそらくなんらかのマーケティングにやられているのだと思います。
そして、それを求めてしまう消費者も、どこかのマーケティングにやられているのだと思います。
1970年代にレイチェル・カーソンの「沈黙の春」で、農薬の害に焦点が当たった時に、アンチ農薬が広がって、今も根強いのかな。
もうそれから40年、法の改正もあり、農薬のあり方も大きく変わってきています。
某アメリカ大手さんが、足を引っ張っている感はありますが、、、
ほんと迷惑な話です。
では、なぜ、私は、農薬を使わないのか?
私が、三粒の種を運営する上で、大切にしていることが、
その理由にあたります。
1、できる限り広い視野で、
2、適切な距離で、
認識し判断すること。
これが大切にしていることなのですが、
これを実行するにあたって、
世界との関わりの中に常に身を置く
ということを行っています。
こうすると、個人的に一番視野の広い状態で、適切に物事を認識できます。
あくまでも個人的にです。
ここでいう世界とは、社会ではありません。
なので、人のためとか、地域のためとか、そんな狭い範囲では、
物事を認識しませんし、判断を行いません。
もっと広い範囲で、自然との関わりの中での人の営みとして捉えていきます。
そうしたときに、農薬の使用は、自然との関わりを拒否する行為となるのです。
だから、使いません。
稲作が始まってから2500年程度の長い時間軸で、害虫を、0にすることが農業としての営みであるならば、私は、その方法を取っていたかもしれませんが、そうではないですし、0にしようとしている価値観の方が圧倒的に短いものであり、さらに短い期間で、見直される方向にあります。
これは、何を表しているかというと、
農薬を使わなくとも、農業はできるということを指し示しています。
戦後の阿呆(現代との認識力上の対比において。現在から50年後私たちもまた阿呆と言われることを許容した上での表現であることを留意していただきたい。それと同時に、戦後世代は阿呆であったことを自覚する必要があるという含意もある)たちが、効率化のために、捨ててきた、微生物や、天敵の利用、植物相の多様性を利用することを行えば、ものすごく大規模な耕作面積でない限り、農業はできるんです。
すでに、農業の学術分野は、このような方向性にあり、
それをIBM(Integrated Biodiversity Management)と言います。
日本語では、総合的生物多様性管理と言います。
某大手企業と同じ名前なので、ネットで検索してもなかなか出てきません 笑
簡単にどんなことをするかというと、
・土中の微生物(菌とかも含めて)を、たくさんの種類がいる状態で保つと、
生態系の機能により、特定の菌(野菜を病気にするような)の繁殖を防ぐことが出来る。
・たくさんの種類の野菜を育てることで、それらに寄ってくる虫も多様になり、
生態系の機能により、野菜を壊滅させるほどの繁殖をしなくなる。
アブラムシ→てんとう虫
という感じ。
特に無理のない、何の宗教観念も働いていない、農業のあり方だと思いますし、
自然と社会との関係も、本来そこに区分はないのだけど、このような関係であるべきだと考えています。
ということで、私は農薬を使っていません。
農薬の話をしたので、農薬の話も書こうと思います。
農薬が必要になったのは、
畑に単一の野菜を作るようになり、なおかつ雑草も排除するようになったことで、
その単一の野菜を好む害虫や菌が容易に繁殖する環境を整えてしまったことが原因です。
また、肥料などを使って栄養豊富な野菜が作られていることも、
害虫の繁殖に一役かっていると言ってもいいでしょう。
そもそも農薬とは、野菜を育てるために使うあらゆる資材の総称なので、
木酢みたいな天然のものも農薬に入ります。
実は、天敵を利用することも、農薬のひとつだったりします。
なので、ほとんど見かけませんが、化学農薬と生物農薬という区分が存在しています。
まあ基本的に、農薬と言ったとは、化学農薬を指しますね。
その化学農薬は、ADIという基準で管理されています。
ADIとは、
「一生涯にわたり毎日摂取し続けても危害を及ぼさないと見なせる体重1kgあたりの農薬の量」のことです。
実験によって導き出された無毒性量を、安全係数(念には念をで)100で割ったものが、ADIになります。
なおかつ、残留農薬基準は、ADIの8割以下になるように定められています。
あくまで実験の結果ですが、害のない量を100で割って、なおかつそれを8割以内にするというのが、食べる人の安全を担保する日本の方法です。
この実験結果をどのように見るかは、人それぞれだし、いくらでも上げ足はとれるので、数値を信じるか信じないかも人それぞれ!消費者は、選ぶのは自由だけど、何かに押し付けちゃダメだよね。
「また、がんの疫学者の見解だと、農薬ががんの原因になるとは、考えられていません。むしろ、タバコや、ふつうのたべもの、ウィルス、性生活や出産が、原因として考えられています。」だそうです。暮しの手帖1990年4・5月号
※ひとつの情報として、認識してください。僕の意見ではありません。聞く人によって、ガラッと変わると思います。
基本的に無害だ!と、謳っているわけですが、
心配な方は、
野菜類
水洗い 50%〜70%落ちます
煮る、炒める、焼く、蒸す、漬けるなどで、さらに落ちます。
果物類
皮をむくとほぼ100%落ちます
まだ心配な方は、
自分で作りなさい。