ALを実践している側から見る18歳選挙権。
僕は、「現状」18歳の一票に意味はないと思っています。
※彼らが無力でダメだ!ということではなくて。
なぜなら、彼らは、社会において、まだ役割を持ったことがないからです。
そして、教育の仕組みが、そのような意味において、何も整備されていないからです。
例えば、バスケ部に所属していたとします。
代替わりでキャプテンを決めないといけません。
部員みんなで決めるのが普通ですが、
今回から、バスケを一緒にプレーしたことがないのはもちろん、
ルールすら知らない人が、
話し合いに加わり決めることになりました。
部員の一票と、それ以外の一票、
その意味合いの違いを考えてみてください。
一票の意味や重みは同じでしょうか?
状況的には同じですよね。
社会の運営において重要な役割を決める場所に、
社会でプレーしていない人、
あるいは社会との関わりを重視していないところで学んでいる人を、
無理やり参加させたって、意味はないんです。
少なくとも一票の重みは間違いなく平等ではない。
客観性があるという方もいるかもしれませんが、
客観的投票になるよりも、偶発的投票になる場合の方が圧倒的に多いでしょう。
他の国では、16歳から選挙権がある、とか、
若い世代に政治に関心を持って欲しいとか、言っているけど、
方法が間違ってますね。
順番が違うと言った方が正確かもしれませんが。
まず、他国がどうあろうと関係ないのは言うまでもないので、
おいといて、
若者が政治に関心がないのは、
政治と学生が「関係ない」からであって、
もっと引いて言えば、
社会と学生が「関係ない」からなんですね。
まず醸成しないといけないのは、
「社会への能動的不満」であって、「能動的主体形成」です。
それが政治へと向き、
主張の最低年齢の引き下げが、学生から要求され、
引き下げるというのが、
正しい順番かと思います。
その要求がない限りは、
引き下げるどころか、
引き上げた方が、
あるいは選挙権の条件付けをしていいとさえ思っています。
一応誤解のないように、
18歳は、無知だ!と言っているのではなくて、
あくまで政治批判な訳です。
選挙権を18歳にしたいのであれば、
18歳までに、
社会で小さくとも役割を持ち、
社会や政治のあるべき姿を思い描ける程度の教育を行うインフラ整備をやった上で、
やらないと意味ないよ!ということです。
事実、18歳選挙の初事例となった福岡県の朝倉市では、
18歳〜19歳の投票率は、38%にとどまっております。
これだけ騒いで、しかも最初の注目される場で、半分以上行かない訳です。
これは、18歳19歳の意識の問題ではなくて、教育の問題なんですね。
浅はかな反論として、
「18歳から選挙権があるからこそ、学校での学習が身のあるものになるんじゃないか?」というのがあるでしょう。
まず、それは身のない投票を容認する期間を、容認することになります。
必ずしも18歳からじゃないといけない訳ではない以上、そのマイナスを被る理由はどこにもありません。
先に学校教育を変えましょう。
そして、「じゃあそれは空想じゃなくて、本当に身のある学習になるように段取ってあるの?」という切り返しには、反応できません。
つまりは、学生に社会での役割を持たせない学校教育を、
どのように変えていくかが、問題です。
ちなみに、文科省が出している18歳選挙権対策はこちら