教育とは、元来必要のない過程である。
「教育とは、なぜ必要か?」ということを考えたことがあるだろうか。
「教育とは、元来必要のない過程である。」
これが前提になくてはならない。
世界は、そのようなものがなくても生きていけるように出来ている。
決して、「社会に適応するために必要不可欠である」という前提で始めてはならない。
決して、「豊かさを得るため、自由を得るために必要不可欠である」という前提で始めてはならない。
世界は、本来、それぞれの存在に合わせてくれる柔らかさを持っているし、
それぞれの存在は本来、豊かで自由だからだ。
教育で提供しようとする豊かさ、自由は、虚構であり、
貧しさ、不自由に対してその場しのぎの上塗りをしているに過ぎないことを、忘れてはならない。
そして、その貧しさと不自由に、教育を行おうとしている自分自身も加担していることを忘れてはならない。
だが、この社会を作ってしまったからには仕方がない。
彼らを不自由にしたことに対して頭を下げながら、
彼らが、自由であれるように、広げるしかないのである。