我
高校生対象の宿泊参加型のプログラムに、
うちの中学生の参加許可がもらえた。
それを子供たちに伝えると、
一人の女の子は、即答で参加すると答えてくれた。
すばらしい行動力というか、飛び込む力だと思った。
だけど、
数日後、彼女の参加は見直されて、見学での参加となった。
どうやら保護者の不安を、彼女が受け取ったようだ。
彼女は、最初、その内容に心躍らせたが、
親がそれを制止した形になる。
「親が、子供の好奇心を阻害してどうするんですか!」
「これからもそうやって機会を奪っていくんですか!」
と言いたくなってしまった。これが僕の我だ。
でも、
保護者の不安は、精一杯の愛情の形。
その善悪の判断をする権利は、誰にもない。
だから、僕は「我」をぐっと飲み込んで、
親の不安もはねのけて、彼女が飛び出すのを待つことにした。
我を通すことにも、他を尊重することにも、
恐怖が付きまとう。
僕の判断は、それでよかったんだろうか。
たまに誰かに聞きたくなる。