マイナス金利と、腐る貨幣
一般的な経済には関心がないので、疎いのですが、
最近マイナス金利が騒がれておりますね。
思惑通りいってないとか。
株価が一気に下落したとか。
個人的には、そんな架空の価値が上がったり下がったり
していることに一喜一憂している姿を見て、情けなさを感じます。
さて、マイナス金利ですが、
デフレ脱却のための一手ですかね。
いろんな銀行は、日本銀行にお金を預けるわけですが、
そこの金利がマイナスだから、預ければ預けるほど、お金が減っていきますよ、
だからどんどん外に出していきましょう!
という効果を狙ったものだと理解しております。
細かいことは知りません。興味もありません。
効果のほどもどうでもいいです。
今回、このマイナス金利で思い出したことがあったので、
書こうと思います。
このマイナス金利、私が大学時代に、限定目的貨幣(通貨としての米)、一般目的貨幣(現金)の勉強をしている際に、
ちらっと読んだ、シルビオ・ゲゼルさんを彷彿とさせます。
※彷彿とさせるもなにも、ゲゼルさんの考えを参考にしたものらしいです。笑
ゲゼルさんは、減価する貨幣と言う考え方がいいんじゃない、と言った人です。
どういうことかというと、
例えば、1000円持っていたとすると、一ヶ月後には1パーセント価値が減ってしまうという考え方です。つまり一ヶ月後には、10円減って990円になってしまうということ。
腐る貨幣ということですね。このような言葉で結構出回っているので、検索してみてください。
実際に、この腐る貨幣を導入した地域があります。
オーストリアのヴェルグルというところで、人口4000人強の町です。
1932年、失業率9%、負債1億3千万シリングという状況下で、
打った打開策が、腐る貨幣でした。
毎月持っているお金が減っていくので、どんどんお金を使いました。
どんどん回そうとしました。
その結果、たった一年で、完全雇用達成、負債の解消を果たしました。
1932年の話なので、現代と比較するといろんな条件が異なりますが、
腐る貨幣の成功事例です。
ですが、これは1年で終了。
オーストリアの中央銀行から紙幣の発行独占を侵害されたとのことで、
裁判を起こされ負けちゃったのです。
ゲゼルさんは知っていたけど、この事例を知ったのは、ここ数年の話。
個人的に、腐る貨幣、僕はいいなーと思います。
僕は、特にこの「腐る」というのに惹かれます。
どんなものもエントロピーが増大していく感じ。
目に見えて無くなっていく感覚。
人類史的に見ても、長い間貨幣的役割を担ったお米などの穀物類も、
どれも腐るもの。
物々交換の前提には、
相互に「無くなる」という観念が必要だと思います。
その方が物事がうまく回る気がします。