同化
空間というのは、思っているより区切られているのかもしれない。
だから、入っていないところに入っていることもある。
空間の仕切りは、壁や扉だけではないということだ。
何かの空間に入ると、たぶん複数の存在というのは同化を始めるのだと思う。
万有引力みたいに。
お互いに意識しあえばしあうほど、同化し始めるのだと思う。
その存在同士の多くの部分が同化し始めた時、
少しの違いが気になり始める。
きっとそんな時必要になるのが、
入っていることに気がついていない空間から、
一度出てみるということ。
そうすると、その少しの違いがいかにどうでもいいことかわかり、
さらに、同化できた部分の尊さ、愛しさを感じ始める。
そして、罪悪と明瞭さを糧に愛を持ち直すのかもしれない。